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夜更しの代償

春が近い朝の陽射しは、ぼうっとするから。

時間に気付いて、

部屋着のニットを一気に脱ぎ捨てる。

だらしのない肩紐を人差し指で直す。

色を変えたばかりの髪が、

静電気でまとわりつく。

隠すは、一滴。

新しい何かの始まりに、付いていけない。

誰の言葉も、聞きたくない。

いや、違う。

聞きたくないのはあの人の言葉だけ。

私は大丈夫。

今日も、鍵に触れる。

通り道の私は、

一瞬の隙間に黒い車を探せる。