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ジャージ初体験

ドキドキ初体験。

と、言っても色気のある話ではなくて、私が今までやらなかったことを、ついにやるようになった、という話です。

それは「ジャージを着て外に出る」ということですね。あの、オジサン的リラックスウェアと化している、あの本来はスポーツウェアであるところのジャージですね。多くの場合ポリエステルでできているあのジャージですね。私はこのトシになるまで、あれで家の外に出たことがなかったのです。そんなカッコ悪いことできるか、と思っていたわけです。

コットンのスウェット上下でならあります。それで何が違うのだ、と言われても困るのですが、自分ではいささか違うという感じがしています。やはりスウェットとジャージは同じではありません。それは、他人に対するつつしみというか、心構えというか、そういうところが違います。何を恥とするか、なにをするべきではないと感じるかという点において違います。

しかるに今回、もう昨年秋になりますが、御徒町の山盛り商法「ロンドンスポーツ」でリーボックのジャージ上下を買いました。赤と黒のオシャレな(当社比)ものです。買ったくせに上下を同時に着るつもりはありませんでした。上下別々に、スウェットパンツ代わりとちょっとした上着として着るつもりでした。

ところがうっかりして、この上下の上のほうを行方不明にしてしまいました。単にきちんと片付けていないだけなのですが、パンツのほうは衣類の山脈の比較的上のほうにあったので確保してあったのですが、上のほうが見当たらなくなってしまいました。あれれ、と思ってはいたのですが、上下で着ることにそれほどの執着もありませんし、他にやることはいくらでもありますので、そのままになっていました。

3月になってから、他のコートを山から引きずり出すときにくっついてきたものがありまして、それは、おお、リーボックのオシャレな(当社比)ジャージ上ではありませんか。これで上下が揃ったので、よかったよかった、というので早速着込んで、なんとなくそのまま近くまでトンカツなど食べに出てしまったのです。

外に出てすぐに、あっ、オレはこともあろうにジャージの上下で外に出ているぞ、ということに気付いたのですが、特段突飛な服装というわけでもありませんし、ちゃんとオシャレなもの(当社比)ですし、まあいいかな、ということでそのまま行って、食べて帰ってきました。

着てしまうと、通気性もあるし、保温性もあるし、これはなかなか快適なのではないか、ということがわかりました。なるほどオジサンどもがこれを着たきりになるわけだ。そのようにして私は「ジャージデビュー」を果たしたのでした。

快適なので、洗い替えとしてユニクロでも買いました。ただし、フツーのモノではなくて、クリストフ・ルメール(誰?)デザインのオシャレな(当社比)ものです。さらに、自分に誓いを立てました。それは決して、絶対に、死んでも、ゴムが伸びて毛玉のできたようなジャージでは外出しない、ということです。そんなふうになってしまうくらいなら、いっそ孤独死するほうがマシだ。そのあたりのことだけはなんとしても譲れない。